キツケ薬


電話をした。
「いつもお腹がすいたというメールがきているけど、
大丈夫?食べるものを買うお金がないんじゃないの?」
「それぐらいはあるよ。休憩の時にメールするから、
お腹がすいていることが先立つの。ごめんね」
いつもこの会話で始まり、今日もそうだった。

メールをすると言っても、用事があるわけじゃない。
母のキツケ薬といったらいいのだろうか。
不安から始まり、交感神経が高まると母は、
モノを出したり、引っ込めたり、しまいに見慣れないものを
どこかに片付けてしまったり、捨ててしまったりする。
それをできるだけ防ぐには、キッカケが必要である。

直しても直しても起る事のひとつ。
押入れにしまっている布団の包みの端を引っ張る。
中味を確認するために行なっているように見える。
それをやっている母の姿を想像した時、キツケ薬が
必要とと思った。
しかし、母は携帯電話をテーブルに置いたままで
当然のことながら、部屋を移動する時に持ち歩かない。

今日、ちらりと「誰かが・・・」を言っていた。
書いている日記を読んでいるそうだ。
その理由は、「ちゃんと置いているのに勝手に
別のところに置くの。人のものを読んで、元の場所に
戻さないなんて」と憤慨していた。


4月13日
サクラ