涙が溢れる
母に夕方電話をした。
「あらサクチャン、どうしたの?」と明るい声。
あの地獄の底から這い出しきた声ではない。
「新しい薬を飲んでどうかな、と思って・・・・」
「ちゃんと飲んでいるし、別になんともないし。
それより私、元気なの。」
「そうね、声の感じも明るいもの」
「そう?今日ね、ジャガイモの芽をとったの。
この前も取ったけど、また出てきてね。塩田さんに行って、
食べない?って誘ったのね。そしたら、塩田さんの奥さん、
わざわざ裏に回ってくれて、ベダンダに腰掛けて・・・」
「へぇ~おしゃべりでもしたの?」
「そう、こんな事、初めてかもしれない。タマネギも
もらってもらったの。」
「そう、たくさんあるのね」
「食べる?でも、マンションは温かくて保存にダメね」
「そうね。で、お母さんは食べたの?」
「食べたのよ!塩茹でしてね、2個も食べちゃった。
食欲もいいし。美味しかったァ」
「美味しいって幸せだね」
「そうなの。あ、それにね、今日、温かかったでしょう。
夕方4時まで庭で草をむしったり、色々していたの」
「4時?何時からやっていたの?」
「ジャガイモを食べたあとだから・・・1時過ぎから」
「じゃあ3時間もやっていたの?」
「そうね、楽しかったから」
「ムリしすぎないでよ。腰が痛いとか出たら困るでしょう」
「大丈夫。ちゃんと考えてやっているから」
「それよりサクチャン、今日は仕事が終わったの?」
「あと1つある。帰るのが9時過ぎかなぁ」
「大変だね、ムリしないでほしいけど、頑張らなきゃね」
「・・・・頑張るから。お母さんの明るい声を聞いたから大丈夫。
エネルギーが沸いてきたわ」
こうして母と話を終えた。昨日の母は続いている。
電話を切ってから涙が溢れてきた。薬が効いてきたかも。
過剰な期待をしないでいたけれど、希望を捨てなかった。
嬉しい。とても嬉しい。母のハリのある明るい声をきけて。
2007年の建国記念日を別な意味でも祝いたい。
5月3日(木) 建国記念日
サクラ