それは三年前・・・


「サクチャン、お財布に入れておいたパスがないの」と母が訴える。
パスとは、高齢者の公共交通機関の優待パス。

「そう、不便だわね。申請し直してもらってこようか?」
「だって3枚もあったのよ」
「え?3枚?未使用ってこと?」
「そうよ、今使っているのはバッグの中にあるもの。
お金は取られていないけど嫌なので、ほら、見て!
メモを入れておいたのよ」

そのメモには【私の3枚のパスがありません。誰が持っていくのか!】
と書いてあって、メモの左下が折れていたので、読みながら直したら
「サクチャン、直したらダメ!取っていった人ね、そうやって角を
三角形に折っていくのよ」
「そう、じゃあ、そのメモを読んだってこと?」
「パスを取ったの」

再び三角形におる事件が始まっている。
母は大昔から、緊張感が高まると手元にあるものを折りたたんだり、
広げたりと繰り返す癖がある。

この春、乗り物パスは1枚しか入手しなかった。
昨年は2枚。3枚入手したのは、3年前。

マイッタな、こりゃ。

9月20日
サクラ