テレビを見よう!


18時半、ようやく母が電話に出た。
「ずっとここにいた」とのこと。

「お昼過ぎに1回電話をして、それから13時50分、
それから16時5分、それから20分間隔でかけていたの。
最後は17時55分だよ。片付けでもしていたの?
今日は寒いから雪いじりができないでしょうしねぇ」
「雪いじりをしていたの。5分ぐらいと思っても、
好きなことをしていると時間が経つのが早いから。」
「そうだねぇ~。陽が落ちてからは?」
「ちょっと前まで雪いじりをしていた」
日没からちょっと時間が開いている・・・。
でも、これ以上聞くと母の感情に触れそうでやめた。

そうすると母が「ねぇ、私、ボケている?」
「認知症というボケではいないよ。それより時間の概念が
弱いからさぁ、ね、のんびり自分のペースでやっていたから
時計を見る癖をつけたほうがいいかも。外に長い時間いたら
体の芯まで冷えちゃうし、それにその場は大丈夫と思っても
後で膝が痛くなったりすることもあるから」
「そうだねぇ、時計ね、あんまり見ないからね。私、ボケて
いないよね?ボンヤリしている人ってたくさんいるものね。」
「そうだね。そうだ!テレビを見ようよ。時計を見なくても
番組毎に時間がわかるし。ぼんやりしている人でもテレビを
見ているし、無意識に『○○は*時から』って見ているでしょう」
「そうだね、テレビを見ないからねぇ。そこは、私は不合格だ」
「バカバカしくてもテレビ!テレビ!けっこう楽しいよ」
これでひとまず会話が終り、30分後に電話をすると
母は珍しくテレビを見ていた。
そして「ちゃんと見ているから~」と笑っていた。

母は何気に告知してからちょっと様子が変わった。
私の話に耳を傾け、日常生活を考え、見直そうとしている。
そして、
「『私(母)のために仕事を休む』って自慢の娘だ」と言っていた。
毎週一緒に病院に行っていることも大きいと思う。
何でもいいから、できることをして、進行を100を99に。


4月1日
サクラ