母の気遣い
私は、山のような洗濯と格闘中にいつのまにか寝ていた。
あ!アルツがうつったか!本を取りにいくのを忘れた!
20時過ぎに大急ぎで書店に駆け込む。
領収書をもらってそのままレジを離れ、しばらくしてから
肝心な本を持ってくることを忘れたことに気づく。
マズイ、マズイ、完全にうつったかも。
あまりのおかしさに母へ再び電話をした。
母は「あらぁ、私のアルツがうつったんじゃないの?
これで私は治るかも。」と笑いながら言う。
「全くよねぇ、もうおかしくて、おかしくて(笑)」
「大丈夫?家に帰られる?何かあったら電話していいから。
それに、もしアルツがうつっていたら面倒をみてあげるから」
「それなら安心だわ」
「もう今日は電話をしてこないでしょう?」
「もうしない。だって寝る時間でしょう。騒がせてごめんね」
「ふふふ、大丈夫。でも寝るわ。早寝早起きは三文の得よ(笑)」
「そうね、じゃあ、おやすみなさい」
以上、20時30分ぐらいの会話
その後、22時40分過ぎに携帯へ母から電話!
ドッキリ!何かあったかぁ~~!と思いつつ涼しげに出る。
「サクチャン、今お家?」
「そうよ。ちゃんと帰られたわよ。ふふふふふ」
「そう、それなら安心したわ」
「あ、心配していてくれたの?早寝早起きは三文の得じゃないね。
ごめんね、心配かけて。でも、ありがとう」
「いいの。なんだか眠れなくてね、いっそのことと思って
起きていたの」
「そうなのぉ、ありがとう。あ、お母さんに謝らなきゃならなの」
「え?!何?」
「あのね、今日、母の日だったのね。本屋さんへ行く途中の
お店で気がついたの。私、だいなしだわ」
「あら、何がだいなしなの?」
「あのね、早々に母の日のカードを買っておいたの。
それにささやかながらプレゼントがあるから」
「あら、そう。それにしてもアルツだね。やはりうつったわね」
「はははは、アルツは風邪じゃないってばぁ。とりあえず次回、
え~っと病院に行く日、何日だった?」
「18日よ」「あ、そうそう、18日、何日後?」
「え~っとね、あと5回寝るの」
「じゃあ、あと5日間、保管しておくわ」
「楽しみにしているわ。あ、色鉛筆を忘れないでね」
「OK!アルツっぽいけど、忘れないで持っていくから」
「お願いね、じゃあ、寝るわ」
「はい、おやすみなさい。またね」
「はい、おやすみ」
こうして一日が終わりかけている。
母は時々不思議の国へ入り込むけれど、脳の機能障がい。
障がいは、障がいだけど、不思議な国へ行ける技を持つ、
個性と受け止めて、あまり深刻にならずにいたい。
勿論、今後、そんな呑気なことを言っていられなくなるけど、
それはその時、七転八倒しよう。
5月13日 again
サクラ