母のところに行くと、電話の前に
「ディサービスに電話! 水道!!」
と書いた紙が貼ってあった。
明日はディサービス、なにかしら…と気になったので母に確認すると
「昨日『町内の水道を検査します。明日家にいらっしゃいますか』と
電話があってね、明日ディサービスを休まなきゃならないの」と言う。
この時期に水道もないだろう、と母に
「町内?回覧板とか、何かお知らせの紙でもないの?
電話っておかしいと思うんだけど…」
「ちゃんと聞いたわよ、無料だって言ってもの」
「ん~来て見ることは無料かもしれないけど、そこから始まると困る」
「何が始まるの?」
「たとえばね『ここに亀裂が入っているから危ない』とか…
まずは民生委員の出口さんに電話してみるわ。住所だって同じだし、
町内ですることなら知らないわけないもの」
「そうね、電話をしてくれる?でもねぇ、ちゃんと確認したもの」
…と母は不安げな表情をしていながら自分の「ちゃん」を繰り返し言う。
出口さんに電話をするとやはりそんな話を聞いていないとのこと。
電話を切って、腰かけている母の手を握り「ないって…」と
次の言葉を言いかけると「え?ちゃんと聞いたわよ」と。
「よ~く聞いてね。お母さんがちゃんと確認したのはわかる。
“来て、見る”のは無料だけど修理は費用がかかるよね。
そこが狙いなの。水道ってもぐってみなきゃならないよね。
だからたとえ亀裂が大きくなくても大げさに言ったり、できるのよ」
「え?嘘ってこと?」
「まず『来て、みる』は無料、でも、町内というのは嘘ね。
出口さんが知らないぐらいだから。でね、出口さんがその人が
来ると言っていた4時過ぎに見回りをしてくれるって」
「うん、わかった。でね、お母さんはディーサービスに行くのよ。
で、帰ってきて、だれかが来てもドアをあけないこと。してくれる?」
「してくれるって、ごめんね。するから・・・恐ろしいねぇ」となった。
ヤレヤレ、慎重な対応を母はいまでもできる。
でも、企みがあるひとはその慎重さも計算にいれている。
まずは何もなくてよかった。
1月11日(金)
サクラ